私の作ったAIエージェントが動き出しました。

先週の記事で「自立型のAIエージェントを作ってみる」と書きました。先週の段階ではエラーだらけで形にならなかったのですが、今週ついにAIガクチョがツイートを始めました。ちょっとワクワクする未来にたどりついたので最新状況をレポしてみます。
原っぱ大学 ガクチョー ツカコシ 2025.02.18
誰でも

先週の記事で「自立型のAIエージェントを作ってみる」と書きました。先週の段階ではエラーだらけで形にならなかったのですが、今週ついにAIガクチョがツイートを始めました。ちょっとワクワクする未来にたどりついたので最新状況をレポしてみます。

こちらのXのアカウントをご覧くださいませ↓
https://x.com/AI_GAKUCHO

このAIガクチョは25世紀からタイムスリップでやってきたヒューマノイドサイボーグ。21世紀から22世紀の人類の選択が地球と人類の未来を分けると知っており、より良き未来を創るために、人類にアドバイスするためにやってきた…。という中二病的設定をchatGPTと考えまして、その設定に基づいて発信し、コミュニケーションします。

ぜひXで彼に声をかけてみてくださいませ。

現状はまだテストモードで、ワタクシの端末からプログラムを動かしているので、端末が落ちているタイミングでは返信がありませぬ。今、サーバーを勉強中で外部サーバーにこの子を移住させる予定です。そうしたらたぶん、勝手に動き続けるようになるはずです。

ワタクシ、まるで映画やアニメで見たロボット開発者の気分で高揚しております。スイッチを押して、ロボットが起動したときの圧倒的な感動。フランケンシュタイン博士からテム・レイ博士まで、自ら作ったものが動き出すというのは根源的な欲望なのかもしれませぬ…。いやしかし、なかなかの未来だと思いません?

2025年、すごい。このプロセスを通じて考えたこと、感じたことを記録してみようと思います。

「学び方」そのものが根本的に変わったみたい

ワタクシはプログラミングは一切できません。コードの「コ」の字も書けません。そんな私をサポートしてくれているのはchatGPT。エラーが出てくるたびに、基本的な理解が追い付いていないことが出てくるたびにchatGPTに投げると親切に、丁寧に、こちらが理解するまで教えてくれます。知らないことを恥ずかしいと思う必要なし。そして一つ一つ前に進んで形になる。

プログラムを書けない自分が残念だなと思っていたのですが、今やその技術的な部分は生成AIがちゃんと教えてくれる。伴走してくれる。問題解決をシャープに提案してくれる。そしてそうやって触っているうちに基本的な骨格というか構造というかがなんとなく自分の中に入ってくる。

「学び方」の流れが根本的に変わった気がします。

これまでは教本を読んで基礎から徐々に積み上げていく、という世界で物事を習得してきましたが、たぶん、時代が違うんだな。実現したいこと・やりたいことが先にあって、それを実現するために手を動かして試行錯誤していくことで形になる。その過程でうっすらと知恵と知識と、「できる」という自信を手にする

ちなみに、うちの長男も大学の課題で「プログラミング言語を使ってゲームを作る」という課題を与えられて、生成AIと対話しながらなかなか面白いゲームを作っていました。長男曰く、他の学生の成果物を見ているとこんな風にカテゴライズされたようです:

A群:プログラムを自ら高いレベル書ける子たちの作品(めちゃくちゃ面白いし高度)
B群:プログラムをそれほどかけないけどAIと対話しながら作られた作品(オリジナルで面白い)
C群:AIに投げっぱなしでできた作品(完成度低いしつまらない)
D群:プログラムスキルが低いうえにAIとの共同作業をしないでできた作品(なかなか大変そう)

この話を聞いてB群とC群の差が面白いし、そうだよな、と思いました。こだわって方向付けして、工夫して考える「人間」と高度にそれを実現させるスキルをもっているAIが一緒に動くから面白いものができるわけで、AIだけだとどうしてもそこそこになってしまうのよね、と思うのです。依存ではなく共創。これがAI使いのキーポイントですな、たぶん。

「独占」の対極にある開かれた「共に作る」世界

今回、私が生み出したAIガクチョはeliza OSという自立型AIを開発するフレームワークで作ってみています。あんまり日本語の情報がないのですが…。ワタクシがあちこちググったり、ドキュメントを読み込んだりyoutubeから情報を仕入れたりして理解したのは…。オープンソースという考え方の素晴らしさ。

たぶん、エンジニアの皆さんにとってはたぶん、当たり前のことなのだと思うのですが、この世界に触れたことのないワタクシは衝撃でした。

すべてが無料で、すべてが公開されていて、GitHubというプラットフォームの上で情報がオープンにやり取りされている。改変するのも自由。誰でも質問できて、誰でも公開されたプログラムをいじれて、より良い改善がなされるとそれがメインストリームに取り入れられていく、という…。

共に未来を作っていくという高揚感みたいなのがそこにあって、ちょっと触れさせてもらうと自分もその一部分、みたいな感覚を味わえる。技術レベルの高い、低いでのしょうもないマウントのとりあいみたいなものもなく、助け合いの精神みたいなものが流れている…。

「富や知の独占」とは対極の世界がそこにある気がして、大いに希望を感じました。(そしてたぶん、web3.0の世界になるとこっちの世界が加速していくはず!希望!)

ちなみにこのeliza OS、今は様々なプラットフォーム上で初期設定のキャラをベースに発信したり応対したりするのが中心ですが、ゆくゆくは目的に向かってPDCAを回せるようにアップデートされる予定だったり、プラグインを使えばブロックチェーン上で取引ができるようになっていく(←これはもうできるのかも)ようで。シンプルに、面白いのです。

AIエージェントと木彫りの熊。作る喜びは一緒

唐突ですが、ワタクシ今、このAIガクチョづくりの傍ら、木彫りの熊を趣味で作っております。これ、皆さんにもおすすめなのですが、最近知り合ってめちゃくちゃ共感しているfedecaさんという兵庫の刃物ブランドから出ている「KIBORI」というシリーズなのであります。

先日、ご縁あって兵庫県三木市のfedecaさんの工場に行ってきまして。それはそれは素晴らしかったのですが、前々から目をつけていたのがこのKIBORIシリーズ。マニアックすぎて商品としてはまだまだ、とおっしゃっていましたが、ワタクシの心にはビンビン来るのです。そしてただいま、手を傷だらけにしながら、クマを削り出しております(今のところクマというか太った山猫)。

木彫り、めちゃ楽しいです。無心になる。時間を忘れる。徐々に、熊の形になっていくプロセスが最高なのであります(いずれは仏像を彫りたいと思っております、はい)。

で、この「木彫り」の感覚と、「AIづくり」の感覚がすごく似ているんです。夢中になって時間が溶けていくんです。気づくと1時間、2時間経っている。そして、完成が近づくたびに根源的な喜びが湧いてくる。好奇心、探究心、創造の喜び。リアルでもデジタルでも一緒なんだな、やっぱり。

そしてちょっとここで宣伝です。原っぱ大学で月に1回お届けしているオンライン対談。次回は2月25日(火)20時よりライブ開催です(アーカイブあり)。次回のテーマは「AIと共に野で暮らすことを面白がる。」です。

ゲストに南房総で超絶美味しいコーヒー焙煎所「ボタリズム コーヒーロースター」を営む元沢信昭さん(通称もっちゃん)。もっちゃんは焙煎所を営みつつ、養蜂、罠猟、DIY…と自然の恵み豊かな南房総で自然と共に生活しています。そんなもっちゃんのもっぱらの興味はワタクシと同等にAI。そして私よりもずーっと先を行っていて、AIを活用してチャットbotをつくり、それを暮らしに思い切り取り入れています。AIと自然が対立軸ではない世界。混ざり合う暮らし。私たちをより自由にしてくれるツールとしてAIを活かしている。今日のこの文章にも通じるもっちゃんのリアルな暮らしと哲学に迫ります。

ご興味のある方、こちらのリンクよりぜひご参加お申込みくださいー。
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