2日後に海外へ旅立つ娘へ(公開お手紙です)。

本日は非常に個人的な内容です。高校2年生の長女が2日後にフィンランドに旅立ちます。期間は約10カ月と少し。短いようで長いようで短いようで長い…。そんな娘にあてた公開の手紙を書くことにしました。
塚越暁 2025.08.12
誰でも

本日は非常に個人的な内容です。高校2年生の長女が2日後にフィンランドに旅立ちます。期間は約10カ月と少し。短いようで長いようで短いようで長い…。そんな娘にあてた公開の手紙を書くことにしました。

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いってらっしゃい、フィンランド。

出発の日がまだまだ先だと思ってぼんやりしていたら、あっという間にやってきてしまった…。不意打ちされたようで困ってしまう…。心の準備がまるでできていないわ。たぶん、飛行場で「いってらっしゃい」という瞬間まで実感が湧かないのだと思うな…。

あなたとのしょーもない日常のやり取りのひとつひとつが僕にとっての宝物です。何を話したか覚えていないようなしょーもないやりとり。ふざけあって、冗談いいあって、くすぐりあって、踊り合って。「友だちみたいな親子」って表現はあんまり好きじゃないけど…、友達みたいな時間。それが宝物。その分「父親らしさ」みたいなことがまるでできずにゴメンなさい…。

君の優しさ、明るさ、真っ直ぐさ、好奇心、ときに見せる聡明さ、ときに見せる抜けたところ…、どれもとっても尊い、掛け替えのないものだと思っています(時々、そんなに真っ直ぐじゃなくてもいいんだよー、って思うこともあるけど…、そんなことはおいおい学んでいけばいいもんね)。そのまんまの君で、世界中どこにいってもご機嫌にやっていけると思っています。だから、とーさんは全然、心配してない。

せっかく海外に行くんだから、何かを学んで来い!つかんで来い!

・・・なんて言う気はさらさら、ありません。「学び」は多分、後からついてくるもの。自分で狙って「学べる」ことなんて大したことない(もちろんね、現地の言葉を学ぶ、生活習慣を学ぶ、コミュニケーションする手段を学ぶことはとっても大切なこと。それは頑張ることは大前提だと思う)。

願わくば、そういう「せっかくの留学だから、何かを学ばなくちゃ」みたいなプレッシャーのようなものは放っておいて、とにかく、全身全霊でいろんなことを体験し、体感してきてほしいと思っています。小さなことから、大きなことまで。とにかく身体と心を開いて、いろんなことを味わいまくる。

そしてそんな、あれこれに自分が何を感じて、何を考えるのかにちょっと目を向けたらいいと思っているんだ。

できればそこで感じたこと、気づいたこと、考えたことを「言葉」にする。ノートでもいい、スマホでもいい。誰にも見せなくていいから、自分の内側の反応を言葉として残しておく。それだけでこの10カ月間は本当に本当に大きな、経験になると思うよ。

もうひとつ。せっかく、僕たち家族も含めて、これまでの人間関係から遠いところに行くんだから、「自分ってこういう人」という自分のキャラクターや振る舞いの癖を一度捨てちゃって、まっさらな自分で過ごしてみたらいいと思うな。まっさらに、好きにやる。そのまんまで過ごす。

僕もあなたと同じ高校2年生で1年間、カナダの田舎に留学に行きました(もう30年前のこと…)。日本人が周囲にひとりもいなくて、彼らが話す英語が分からなくて3カ月ぐらいは寂しい思いをしたのを憶えています。学校では図書館に通い詰めて、カフェテリアでは一人でランチを食べていた気がする。でもある日、ふと気づいたら自分が彼らの言葉で考えて、彼らの言葉で話していたんだよね。きっとそんなもん。

慣れるまでに時間がかかるし、苦しいこと、辛いこと、悲しいこともたくさんあると思う。苦い経験、失敗したなーと思う経験もたくさんすると思う。それらも含めてきっとあなたの宝物になる。

君は、絶対に、大丈夫。

なんか最後の方は親父のアドバイス的になってしまった…。まあいいや。


身体に気をつけて、目いっぱいぜんぶを楽しんでおいで。
素敵な出会いがたくさんありますように。

発掘した2018年の写真。7年半前。大雪が降った日。学校に行かないで原っぱ大学のフィールドで二人で遊んだとき。憶えていないと思うけど、このとき、雪で遊びながら君は「この光景みたことある!」って言い出して、「それってデジャブだ!」って思ったものです。

発掘した2018年の写真。7年半前。大雪が降った日。学校に行かないで原っぱ大学のフィールドで二人で遊んだとき。憶えていないと思うけど、このとき、雪で遊びながら君は「この光景みたことある!」って言い出して、「それってデジャブだ!」って思ったものです。

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