AI時代の大事なスキルは「雑なおしゃべり」。

2026年半ばの私の結論。人間同士のおしゃべりこそが大事なのだ。これまでAIに触れてこなかった人たちは安心して今から、今こそ、ガッツリAIを触ったらいいと思う。他愛もない雑なおしゃべりができれば、あとはAIが何とかしてくれる時代がやってきたから。たぶん。
塚越暁 2026.07.28
誰でも

2026年半ばの私の結論。人間同士のおしゃべりこそが大事なのだ。これまでAIに触れてこなかった人たちは安心して今から、今こそ、ガッツリAIを触ったらいいと思う。他愛もない雑なおしゃべりができれば、あとはAIが何とかしてくれる時代がやってきたから。たぶん。

これまでは人間の構造化力が大事だったが…

この7月はAI好き界隈には忙しない月でした。

Claudeの最上位モデルFableがサブスクで使えなくなると言われて大慌てで使っていたらやっぱり使えるよとなったり。ChatGPTの最強モデルGPT5.6シリーズが世に出たり。中国製のKimi K3というすごいモデルが登場したり。Claudeの中堅モデルOpusの新型Opus5が出たのですが、これがもう、中堅といってもよくわからないくらい賢かったり…。数日単位で新しい発表が飛び出してお祭り状態。

この新しいAIモデルたちの賢さといったら、次元が違います。思考し、タスクを遂行するという意味においては、普通に、圧倒的に、人間より賢い。完全に、降参です。

この賢さはインプットされる情報が十分にあればあるほど、発揮される。コンテキストってやつです。コンテキストがポンコツだと挙動もポンコツになってしまう(AIがバカだという話を時々聞くけど、それはこのコンテキストの渡し方が下手くそな場合がほとんどだと思います)。

で、数カ月前までは、この「コンテキスト」を人間はキーボードをたたいて一生懸命文章を考えて渡すことが当たり前でした。AIのサポートを受けつつ、自分がなにを考えているのか、目的はなにか、ゴールは何か、どんな背景でその目的が生じているのか、ユーザーは誰で制約条件は何か、優先順位は何か…、ひとつひとつの指示の要件を細かく構造的にまとめる技術がAIを適切に動かすうえで大切でした。

いわゆる論理的思考力やら言語化能力やら、構造化力といった、ビジネスエリートが得意なあれこれスキルがあることが前提でした。

人間の構造化がAIの思考の邪魔になる

ところがです。ここへきて、次のフェーズに移りつつあります。

今の賢いAI達は一度に膨大な「コンテキスト」を記憶できます。そして圧倒的な推論能力を駆使して思考し、提案します。人間が小さな頭で構造化し整理した指示はむしろ、コンテキストが省略され、削られ、AIの判断を鈍らせる可能性が大きい。人間のポータブルスキルをAIが越えたようです。

実際、僕が衝撃を受けたのはClaude Fable5への公式のプロンプトガイドに、目的と背景だけを伝えてね、細かすぎる指示はFableの可能性を狭めるよ、と書かれていたことです。天才を半端に制約するとパフォーマンスをさげるよ、ということですよね…。

だからむしろ、頭の中で構造化したり整理したりということは委ねてしまった方がいい

じゃあ人間の役割はなくなってしまうの?という話ですが、そんなことない。どんなに賢くてもAIは道具です。人間のインプットがないと動き出さない。コンテキストがないと何も起きない。そのコンテキストをそのままに渡す。たくさん渡す。矛盾も迷いも飛躍も含めて全部まるっと渡す。そうすることではじめてAIは水を得た魚のように動き出す。

未整理な、雑な、おしゃべりがAIを突き動かす

だから、おしゃべりが大事。しかも、一見、雑なおしゃべりが超大事。アジェンダに沿って構造化するのではなくて、雑に、感覚のままに、ひたすら雑に思うままに感じるままにしゃべると僕らが無意識に持っている思考パターンや視座がコンテキストとしてうっすら現れる。

その記録をそのまま文字情報として渡すと、賢いAIはそれを逃さない。素敵に整理してくれる。構造化してくれる。しかも、雑なおしゃべりであればあるほど、ほかにはない独自のコンテキストとして機能する。

だから、雑におしゃべり。それを全部記録して、AIに渡す。
AIがまとめてくれたものを起点に次の一手を考える、判断する。これが僕ら人間のやること。

GMOグループの熊谷代表がリモートワークを完全にやめる、という話をXに投稿していました。言葉足らずで若干炎上して、後日、釈明していたけど、その釈明の文章に大いに頷きました(社員のQOL観点で出社は嫌だよな、と思うけど仕事の中での人間の役割という意味では納得しかない見解)。

AIに任せられる作業はAIに任せ、人はより創造的な議論・意思決定・学び合いに時間を使うべき時代だと考えています。多様な専門性を持つ仲間たちと直接議論できる場がオフィスです。私たちは、AI時代だからこそ、顔を合わせて議論し、判断し、学び合う時間の価値が高まっていると考えています。

デジタル原っぱ大学 第2期参加者募集中!

最後にひとつ告知。

デジタル原っぱ大学」というAIを使ったものづくりを仲間と学び合う場の第2期を盟友のもっちゃんと開催します。

この場で僕らが提唱しているのは「バイブコーディング」ならぬ「バイブスコーディング」。仲間たちとたくさんおしゃべりをして、バイブスを交換し合って、ものをつくる。

AIスクールは世に溢れているけど、僕らの場はノウハウ提供よりも、人と人との関り、熱量の交換、ワクワクと遊び心に力点を置いてます。危機感をあおられることにへきえきした皆さま、ぜひご参加くださいませ。

おしゃべりさえできれば、AIと仲良くなれる時代です!

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