国際詐欺にやられかけた。(本当にあった怖い話)

あれは、先週の金曜日のことでした。妻のもとに、娘が6月までお世話になっていた留学先のホストマザーから連絡が入ったんです。「日本は暑いみたいね。みんな元気?」って。whatsAppっていうアプリ経由です。
塚越暁 2026.08.11
誰でも

あれは、先週の金曜日のことでした。妻のもとに、娘が6月までお世話になっていた留学先のホストマザーから連絡が入ったんです。「日本は暑いみたいね。みんな元気?」って。whatsAppっていうアプリ経由です。

皆さん、whatsAppは知ってます?LINEのようなメッセンジャーアプリです。日本ではあまり浸透していないけど、欧米ではメジャーなんです。私も妻も普段は使っていないのですが、フィンランドのホストファミリーとの連絡用に使っていました。

「実はちょっと相談があるの」

マザーとはよくやりとりしていたので、妻は何の気なく返事をしたんですね。そうすると、彼女が言うんです。
「実はちょっと相談があるの。」

ホストファミリーには本当に娘がお世話になっていましたからね、妻は疑いもなく答えるわけです。
「もちろん、なんでもできることはやるよ!」

すると、マザーはこう続けるんです。
「家族のバースデーパーティーが来週あって、そのパーティーのお礼のギフトを日本から買ったの。

パーティーに遅れないように発送してもらうには日本円での支払いがオススメなんだって。
期日通りに届けてほしいから、困っちゃって。

で、あなたが浮かんだの。

もし、迷惑じゃなかったら助けてほしいの。

私が銀行にユーロを振り込むから、あなたからそのお店に日本円での振り込みをお願いできないかしら?」

妻は、あれー、なんかおかしいなーと思いつつも、大事な人からのお願いですからね。無下にはできないわけですよ。
「もちろん!やれることはやるよ。どう進める?」と返信したんです。

マザーはすかさず続けるんですね。
「私はもろもろの手続きを進めているから、あなたはお店に256000円を支払ってくれればいいの。私から先にあなたにユーロを送金するからまずは銀行口座を教えて。」

妻はいよいよ、なんかおかしいぞー、と思い始めるわけです。

金額がそれなりに高いじゃないですか。もちろん、円安だからユーロ圏にとっては大した金額じゃないのかもしれないけど、それでもね。もともと直観が冴える妻は回答をしないで、僕に相談の連絡をくれました。今考えると、この判断はファインプレーですよね。

マザーだけでなく娘からも届く催促の依頼

ただ、これで終わりじゃないんです。しばらくすると今度は妻のところにホストファミリーの真ん中の娘からメッセージが届いたんです。彼女は先日まで我が家にショートステイしていたよく知っている子。

その子も言うんです。
「ママからメッセージ届いたよね?」

妻は用心半分、信頼半分でこう答えたんです。
「届いたけど金額が大きいのと、銀行口座を伝えるのは躊躇しているからアキラに相談しているからちょっと待って。」

娘からはこんな返信。
「心配いらないよ!あのメッセージはママが送ったよ。来週、○○(お姉さんの名前)の誕生日でパーティーの準備しているところだよ!」

なんか怪しいけど、お姉さんの名前を知っているなんて本物っぽいし、立て替え払いの金額が大きいのは文化の違いかなー、なんて思っちゃうわけです。妻には「対応していいんじゃない?先に振り込むって言っているし。急ぎっぽいし。〇〇の名前を知っているって本物でしょ」なんて伝えちゃいました。脇が甘いですね。

ちなみにフィンランドで10カ月、ファミリーの下で過ごしたうちの娘は、さすが鋭いんです。「これは絶対違うよ。マザーはこんな失礼なメッセージを送る人じゃない」。と言っていました。

でもね、妻のスマホを確認すると、マザーも娘も、本人のアカウントなんですよ。過去の妻と彼らのやり取りも残っている。これがほら、怪しいアカウントからだったら疑うんですけどね。ちゃんと本物なわけです。

I am very disappointed in you.

妻はこういうんです。
念のため、Facebook Messengerでマザーに確認して。できればビデオチャットで。
用心深いですね。私なんてもう、とっとと口座番号教えちゃえ、って思っていましたから。

面倒だし、失礼にならないかな、なんて思いながら、Facebookでつながっているマザーに私から連絡したんです。時差の関係で返信がないままに、モヤモヤを抱えてベッドに入ったんですね。そして翌朝、半分寝ぼけたままにスマホをチェックすると、彼女からの返信が・・・。

そんなメッセージは一切送っていないよ、確認してくれてよかった」と…。

詐欺だったんですねーー。

その間にも、妻のもとには偽マザーからメッセージが重なって送られてきます。

偽マザーはこういうんです。
「あなたの旦那とFacebookでやりとりしたよ!心配ないよ!もちろん、手伝いたくないならそう言ってね、それはそれで全く問題ないからね。あなたが断っても私たちの関係は変わらないよ」

なんだか腹が立ったので、妻のアカウントから相手に「あんた詐欺師だろ、知ってんだぞ!」と送ったら・・・。

I am very disappointed in you.」と言われたんです。そしてそれ以降、憑き物が落ちたように、メッセージはぴたりと鳴り止みました…。

巧妙に仕掛けらた乗っ取りの罠

以上、この夏の本当にあった怖い話でした。

彼らはどうやって妻とホストの関係やお姉さんの名前などの情報を得たのか?ホストファミリーと連携し、ChatGPTの手助けも借りながら、色々調べたら彼らの巧妙な手口が浮き彫りになりました↓

①妻のwhatsAppアカウントが乗っ取られ、見知らぬchromeがリンク設定されていた
(デバイスの追加機能です。自分のデバイスのふりをして誰かのPCに接続されていた・・・)
②chrome を通じて、妻とホストマザー、ホストの娘とのやりとりを全部みられた
(そして、これまでのやり取り履歴をコピー)
③詐欺集団はホストマザーと娘の本物のアカウントを妻のwhatsApp から削除
④マザーと娘の偽アカウントをおなじアカウント名、同じプロフ写真で作成し友達追加。過去のやり取りをコピぺ
(この時点で入れ替わり完了。ここまでが先週木曜日)
⑤マザーと娘になりすましてメッセージを送ってきた
(ここからは翌日の金曜日。あえて一日あけることで、怪しさを消す周到さ)

whatsAppは携帯番号とアカウントが紐づいているのでアカウントのプロフィール欄を見て、本物のプロフィールと比較すれば偽物と気づくのですが…。プロフィール欄を開かないと電話番号が表示されないし、そもそも海外の番号の違いなんて気づかない。本物のホストマザーがテストメッセージを妻に送ってくれた際、彼女のアカウントがアーカイブに隠されていたことで、手口に気づきました。

2段階認証はとっても大事だよ

今回の学びは…

2段階認証の設定は絶対にするべし。whatsAppは普段使いをしておらず、ホストとのやりとりだけに使っていたからその辺の設定が甘かったです…。(ゆえに、乗っ取られ、デバイス連係をこっそり勝手にされた)
・口座やカード情報など重要情報はメッセンジャーアプリに載せない(万が一、載せていたら全部もっていかれてた)
お金の話は即レスしない&別チャンネルで本人と確認する

彼らは、本当に上手にこちらの気持ちの大切な部分をついてきます。今回のストーリーもホストと私たちの関係性をみて、そこそこリアルな、ギリギリなくもない金額や内容でした。また、私たちのファミリーへの感謝の気持ちや役に立ちたいという思いを見越して仕掛けられた気がします。

皆さんも、どうぞご注意遊ばせ。

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