Antigravityすごい。誰でもネオ時代の到来

2025年12月現在、ワタクシ、ひとり第3次AIブームに沸いております。第2次ブームは今年の年初。その時に抱いた希望に夢破れ、一時は意識的にAIから離れていたものの、今また希望を感じている次第です。この年末でちょっと次元が変わった…。
塚越暁 2025.12.09
誰でも

2025年12月現在、ワタクシ、ひとり第3次AIブームに沸いております。第2次ブームは今年の年初。その時に抱いた希望に夢破れ、一時は意識的にAIから離れていたものの、今また希望を感じている次第です。この年末でちょっと次元が変わった…。

迷回答だらけだったGPT3.5はチャーミングだった

私の生成AIブームの第一波は2022年末のGPT3.5の頃。

あの頃のChatGPTは非常に牧歌的で楽しかった。

ハルシネーション問答無用。ガンガン意味不明の答えを自信たっぷりに答えてくれるから、その迷走っぷりが楽しく、会話にロマンがありました。AIと会話が成立するだけで新鮮でうれしく。頓珍漢な回答もまた、チャーミングだった。対話の流れそのものがクリエイティブだと感じて、胸が熱くなりました(たかだか3年前)。

そこからChatGPTは、次第に賢くなっていき、正直、つまらなくなっていきました。なんか普通…。

AIエージェントに夢を描くも、打ちのめされる

第2次のブームが訪れたのは今年の年初ごろ。

GPT4.5の共感コミュニケーションの気持ちよさ。そして「AIエージェント」という言葉が世に溢れ、これからは自律的AIの時代だ!とワクワクが止まらなかったのであります。

バイブコーディングをはじめたのもこの頃です。自分でAI秘書を開発する!と鼻息荒く妄想を抱きました。そのAI秘書によって私の苦手なバックオフィスタスクが圧倒的に簡略化される、と希望に燃えたのであります。あのタイミングは毎週のように新しい技術がうまれ、「世界が変わる真っただ中に自分はいるのだ!」と半ば躁状態でした。

が、数カ月の熱狂ののち、現実を前に私は打ちのめされました。

PC画面を見つめ続け、時間ばかりは溶けていく。

でも自分の理想の「AI秘書」はいつまで経ってもできない。自分の知識、スキルの限界。当時の技術の限界も感じ始めました。AIエージェントと騒いでみたけど、その実、こんなもんじゃないかという残念さ。それでいて、日々新しいサービスが世に出て、イチイチ周囲が大騒ぎしているのにも疲れてきました。

不毛な戦いに身を投げている気がして、敗北した気持ちになり、いつしか、生成AIと過ごす時間は短くなり、距離を置くようになっていました。

あれから数カ月、ここへきて第3次AIブームが私のもとにやってきています。(第1次と第2次の間は約2年。第2次と第3次の間は約半年。インターバルが早まっております…)

ノンプログラマーにとって圧倒的な革命

マイブームの中心にいるのはAntigravity というgoogleが11月に発表したIDE(統合開発環境といいます)。あ、なんか横文字が出てきた、と言うなかれ。

これが我ら、ノンプログラマーにとって圧倒的に革命なのであります。
もう一度書きます。プログラマーでない一般ピープルにとって、Antigravityはヤバすぎる道具です。
しかも、とりあえず使うだけなら無料。googleすごいな…。

IDEとは、プログラムのコードを書くツールです。あの黒い画面に意味不明の文字がちらちらしているやつです。マトリックスのネオ(覚醒前)のようなプログラマーはそこに意味を見出すけど、我ら一般人にとっては吐き気を催す画面。

その時代が終わったのです。一般人が吐き気を催さずにプログラムを書ける時代になったのです。

誰でもネオ時代の到来です。
一般人がデジタル世界とリアル世界を縦横無尽に駆け巡れるようになった!

何を大げさな、と思うでしょ。でもこれマジです。

Antigravityでは最初に少しやり取りをして、GO!と指示を出すだけで、画面の向こうでどんどんプログラムが書かれていきます。時折、確認がはいるので、それに「OK!」とか「ちょっと待って!」とかやりとりをするだけでどんどん進む。

半年前のストレスの種は全解消

そして、なにが凄いって、AIの思考プロセスがテキスト情報で可視化されていくんです。

こちらのオーダーに対してAIは…
 ・やることをタスク一覧で提示→確認。
 ・行動計画書を作成して分かり易く提示→確認
  ※ここで彼の書いていることが分からなければ質問すると分かり易く教えてくれる
 ・行動計画にGOを出すと一気に作業を進めて終わったら完了報告→確認

めっちゃシゴデキさん。ほうれんそう全部きちんとできます!
ちなみに、半年前のツールでは↑ほうれんそうが中途半端だった。

かつてのAIは一気に作業してくれるのだけど、その向こうで何がなされているか一般人のワタクシにはまるで分らない。結果として成果物っぽいものができあがるのだけど、それが何だかこっちはまるで分らない。完全なるブラックボックス。

ところがAntigravityを使うと、AIの思考プロセスを追えているから、細かなコードの中身までは理解できなくてもどんなロジックで何がなされているか理解しながら進められる(←これ、一般人にはとてもありがたい)。

さらにさらに。Antigravityはプログラムだけでなく、サイトのデザインの提案・調整はもちろん、本番サーバーのセッティングまで全部やってくれる。全部。

とくにサーバーのセッティングは我ら一般人には地獄のようなプロセス。AIと一緒に作業していてもエラーの無間地獄にハマるのが常でした(何度サーバー自体を初期化したことか…)。

今は、Antigravityに「こんなエラーが出ているのだけど、調査・解消して」と伝えると、はいはーい、と動いて本番サーバーに潜っていって解消してくれます。革命でございます。

一般人こそ、Antigravityを触りましょうぞ

優秀な、頼れる万能の開発パートナーが隣にやってきたのです。

我ら一般人は、「ここに問題があるから解消したい」とか「こんな面白いもの出来ないかな」と妄想するだけでいいのです。素敵すぎる未来がやってきた。

この「未来」に私がこんなにも興奮しているのは、第2次ブームの際に打ちのめされたから。希望に燃えていたのに、その希望の炎がかき消された経験があるから。だから、今のAIの進化に非常に興奮しているし、この進化により自分ができることの扉が一気に開いた気がしているのであります。

あのとき徹底的に打ちのめされたから、今、希望を感じられる。

だから、非エンジニア、一般ピープルの皆さん、ぜひ共に、Antigravityを触りましょうぞ。

いきなり触ったらきっと打ちのめされると思います。

「基本的な用語が分からない」
「画面の見方が分からない」
「そもそも、作りたいものが見つからない」…

色んな打ちのめされ方をされると思うけど、それでいい、それがいいのだと思う。そうやって打ちのめされた経験が、間違いなく次のチャレンジへの欲求になるから。世界が変わるし、未来への希望になるから。

【おまけ1】私流のAIとのプログラムづくりの流れ

①ChatGPTにやりたいことを伝えて壁打ち
こういうプログラムを作りたいんだけどどうやったらできるかな?という質問から軽く始める。彼は、基本肯定しかしないで実現方法を色々提案してくれるので、気持ちが折れない。

②ChatGPTに「要件定義書」を作成してもらう
AIにプログラムを書いてもらうための基本設計書。①からの流れで作ってもらう。ただし、これを書いてもらう際には必ず「これまでのやりとりを踏まえて」もらうことと「足りない情報があったら勝手に判断しないで聞いて」と伝えること(←これをやらないと勝手に判断して作られちゃいます)。

③Geminiにセカンドオピニオンをもらう
書いてもらった要件定義書をGeminiに渡して評価、アドバイス、修正提案をもらう。私の印象ではGPTはノリ重視なので、ときに、間違った情報をしれっと流し込んできます。そんな要件定義書の穴をGeminiは冷静に評価し、チューニングしてくれるのでこのプロセスで要件定義書のクオリティがぐんとあがります。

④Gemini修正版の要件定義書をAntigravityのAIに渡す
ここでも「確認事項があれば聞いて」と記載しつつ、要件定義書を渡すといいです。確認事項をちゃんと聞いてもらうの大事(部下と一緒ですね!)曖昧さがなくなってくるから。あとはAntigravityにGO!と伝えると勝手に動いてくれます。簡単なプログラムなら15分とかからずにできます。

【おまけ2】Antigravityで2日でつくったウェブアプリ

Antigravityを使ってアイディアから本番反映まで約2日で実現したウェブアプリ。

NFCタグを仕込んだ「ハラモンカード」を私が名刺代わりに持ちまして、このハラモンカードを使って名刺交換した人だけが自分のオリジナル「ハラモン」を召喚(作成)できるという(中二病的な)アプリです。

ハラモンはユーザーが答える簡易なアンケートをもとにAIが自動で作成し、「ハラモン図鑑」に追加されるという仕組み。私がリアルに人と会って話をするほど、会った人のイメージが反映去れたモンスターが増えて行くという遊びです。

原案は私。プログラム、UIデザイン、システムプロンプト作成、DB構築はすべてAntigravityによるもの。僕はコードもDBも1回も触っていません。

ハラッパモンスター」(リアルでお会いしたときにぜひお声がけを)

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