お正月にAI最適業務フローを作ったぜ

今年の3が日はガッツリAIと向きつつ、ワタクシの業務フロー全体を人間中心から、AIに最適化した、AI協働フローに仕立て直しをしました。ずっと頭の中にあった構想への着手。そして正月の3日で運用スタート地点に立ちました。
塚越暁 2026.01.06
誰でも

事務処理と定型業務が苦手な私

とにかく事務処理が苦手な私。

その苦手意識を詳細に見つめると、処理自体も苦手なうえに、着手するまでの心理的負荷が苦痛なのです。他にやりたいことがたくさんあるのに、なんでこんな「不毛な作業」をやらなくちゃいけないのか…。という心の叫び。

そうして、後回し、後回しを続けると結果としてその雑務が雪だるま式に溜まり、心理的負荷も高まり、にっちもさっちもいかなくなる(結果、事務作業への苦手意識がさらに高まる)という負のスパイラルでした。

経費精算、請求処理、売上管理、管理会計のための伝票処理…。どれもひとつひとつは小さな作業。そして重要な作業。でもどうしても面倒で後回しにしてまう、数々の微細なタスクたち…。

AIは定型作業が得意なわけじゃない

そんなわけで、最初にAIが登場したときに、私は狂喜乱舞したわけです。

AIにこの死ぬほど嫌いなくそ面倒くさい定型事務処理業務をAIにおしつけられる!と。ただ、すぐに気づきました。

AI自体は別に定型業務が得意なわけではない。むしろ、ほんのちょっとのインプットのズレで毎回、答えが変わる。いわゆる「定型」をきちんと回すのはAIではなくて、「ワークフロー」とか「プログラム」とか言われるものだったのです…。

「ワークフロー」を素人が組むのは本当に大変

では、いろんな作業を自動化できるワークフローを組んでみよう、と様々なツールを試したのですが、結局うまくいかない。

ワークフローを組むのに果てしなく時間がかかった挙句、むしろ、そのワークフローに運用を載せるくらいなら自分でやってしまった方が早い・・・、そんな結論に達したことが何度もありました。また、素人が作るワークフローのいまいちさは、ちょっとしたイレギュラーに脆弱ということ。イレギュラーに対応しようと改修を重ねると今度は仕組みが肥大化してフローがスムーズに流れなくなる。悲しい思いを何度したことか…。

個別最適でつくったワークフローがあちこちに散逸し、その運用方法を思い出すだけで時間がかかる、という本末転倒な具合。

自分でやる(果てしないストレス)

AIに任せてみた(失敗)

ワークフローを組んでみる(失敗)

かなり残念な気持ちを抱えて元通り自分でやる(大きなストレス)

失敗の積み重ねから立ち上がったキーコンセプト

2025年のワタクシはこんな変遷をたどっていたようです。

失敗の積み重ねと溶け去った時間のなかに、私なりの学びがあったようです。その学びのなかから、AIとの対話で立ち上がってきたコンセプトがありました。

furokuさんのプロンプトパターンをつかってNotebookLMで出力。https://furoku.github.io/bananaX/projects/infographic-evaluation/index.html

furokuさんのプロンプトパターンをつかってNotebookLMで出力。https://furoku.github.io/bananaX/projects/infographic-evaluation/index.html

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哲学① Human-in-the-Loop(人間が手綱を握る):
AIに任せきるのではなくて人間がAIの作業の真中に立って判断・確認をすること。

哲学② Agile & Perpetual(運用と開発の一体化):
システムは完成しない前提に立つ。運用を回しながら仕組みとプログラム両者の改修・改善を続けること。

哲学③ Orchestration(分散からの統合):
情報と操作を1か所に集めることで認知負荷と改修工数をさげること。
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この3つ、ワタクシの数々の失敗の蓄積をどうしたらいいかgeminiと対話を繰り返した結果、彼がまとめてくれた3つのキーコンセプトです。

2026年頭の今は、AIとの業務フローをこの逆の方向を目指して組もうとするとたぶん失敗する。

AIに全自動を期待しても機能不全を起こす。
カンペキに動くシステムを作ろうとしてもいつまで経っても完成しない。
個別最適を目指すと結果として認知負荷があがるだけ。

出来損ない経営者の「小さな困りごと」を解消する

このキーコンセプトで生まれたのがHMC(Harappa Management Cockpit)。

私の個人的な「困りごと」の数々をひとつずつ解消してくれる仕組みとなっています。運用ベースで10時間~20時間/月の工数削減と、圧倒的な私の心理負荷解消並びに、ミスの削減につながる(予定)です。

既に実装しているのはこんな機能です↓

①タスクマネージャー
私のタスクとスケジュールを一元管理してくれています。加えて、朝のブリーフィング、夜の振り返り、あるいは日中の思いついたときに。コックピットの副操縦士たるエージェントに相談すると私のタスクの一覧や今の時間に着手すべき段取りや進めるためのヒント、勇気づけをしてくれる心強いパートナー。私の活動ログも記録してくれます。

②KPIモニター
わが社は会計ソフト「Freee」を使っているのですが、2年ほど前に(私からすると)改悪しまして、私たちの利用しているプランでは部門別PLが見られなくなりました。これが非常に不便だったのですが…。Freeeと接続して会計データをリニアに獲得して、その時の部門PLを一発で作ってくれる仕組みを実装しました。「コックピット」の計器にあたる機能。

③ファイナンス・インポーター
KPIモニターが会計数字のアウトプットを表出するツールだとすると、こちらはインプットの負荷をさげるツール。私達はいくつかの決済サービスを使っていることでFreeeに登録する売上数字を複数の別のサービスから引っ張ってくる必要があります。その作業が地味に手間。そこを一括管理してFreeeにアップロードできる仕組み。

④インボイス・プロセッサー
同様に月次処理で手間なのがパートナーから送られてくる請求書の処理。請求書の書式がそれぞれバラバラなものを確認して、判断して、Freeeに登録する、という煩雑でミスが許されない業務をPDFの読み込み→テキストデータ一覧化(部門を推測、数字は検算処理)→登録までをワンストップに実行できるツール。

⑤シフトマネージャー
月間、15回近くの現場が回っている原っぱ大学の各イベントのカレンダー管理とシフト管理をサポートをツール化。複数あるカレンダーを統合し、シフトアンケートをつくったり、インボイス・プロセッサーと同期をとってパートナーからの請求漏れがないかをチェックする仕組み。

HMCを操作しているところ左側はHMCのフォルダ構造。右側のチャットウィンドで基本、すべてが完了していきます。タスクマネージャーと1日の終わりに振り返りをしたところ。

HMCを操作しているところ左側はHMCのフォルダ構造。右側のチャットウィンドで基本、すべてが完了していきます。タスクマネージャーと1日の終わりに振り返りをしたところ。

私にとって非常に快適で便利な状況が立ち上がっていますが、私自身はプログラムは一切書けません。ほぼ読めません。やりたいことを手元のAIと議論し要件を整理したうえで、AIにコードを書いてもらい実際に動かしながら調整、チューニングした結果の形です。

環境変化に耐えうる「引っ越しやすい」構造に

HMCは現在、AntigravityというGoogleが昨年11月に発表したIDE(統合開発環境)の上で動かしています。AntigravityはAIエージェントとチャットベースで開発・運用を一体的に進められるツールで、素人に非常に扱いやすい。

HMCのアプリ群はpythonという言語で書かれたシンプルなプログラム。これらはすべてローカルのフォルダに置かれています(すべてはgithubにバックアップ済み)。そのアプリたちが参照するデータは主にGoogleDriveのフォルダに配置。このアプリを開発し、運用し、保守メンテナンスする担当がAntigravityを通して起動するAI(gemini)という構造です。

私が大事にしているのは、この仕組みがAntigravityに依存しすぎていないことです。AIの世界はすごいスピードで新しいツールが生まれ、大抵は、最新のツールの方が安く、賢く便利です(私も少し前まではcursorという同様のサービスを使っていたのにAntigravityの登場で乗り換えました)。

そのため、載せ替えが楽なことが継続運用において重要だと考えています。

ツール類で使う言語と構造をシンプルにローカルに設置すること。
必要なデータ類はアプリとは切り分けてGoogleDriveで管理すること。

この2点によって、Antigravityの頭脳と使いやすいUIを最大限利用しつつも過度に依存せず、新しい有用なAIツールが登場した際には、次の選択に簡単に移行できる自由さを担保しています。

動かしながら最適化を推し進める

現在地はまだまだスタート地点。システムも業務フローも組み始めたばかり。回してみると色々と不具合が見えてくる。でもそれでよくて、それがよくて。チューニングをAIとともにやっていけばいい。実は、一番大事なことは、データの持ち方やシートの作り方、資料の配置の仕方の一つ一つをにこれまでの人間最適から、AIと人間両者にとって扱いやすい形に少しずつ整えたというここと。

このイニシャル工数をかけることがとっても大事だと思う。

この形でスタート地点に立てると、失敗しながらも運用を重ねていくことで、AIに安心して任せられる領域が少しずつ増えていくはずです。ここからの進化が楽しみでござる。

このあたり、ワタクシはプロのエンジニアではないですがだいぶ知見が溜まってきたのでご相談があれば何なりと!AIに最適化することで、遊ぶ時間を思いきり確保するのです。そんな仲間を増やしていきたいのです。

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