青年よ、大いに惑え、大いに違え。バッターボックスに立ちまくれ。
本日、長男が19歳になりました。19歳。自分の記憶が鮮明な年齢に自分の息子がなる、というのは奇妙なものです。朝、起きて朝食の席についた息子は満面の笑みで「なんか言うことないの?」ですって。「ハッピー、バースデー」。健やかに育って何よりです。
19歳。私は高校2年生のときに1年間、留学に行かせてもらった関係で、まだ高校生をしていました。ちょうどこの時期は部活も引退して、必死になって受験勉強していたころ。正直、行きたい大学も将来の夢も学びたいことも特にないままに、ただ「偏差値を上げる」ゲームが楽しくてひたすらに受験勉強をしていた記憶しかありませぬ。あとは部活を引退したころに彼女ができてルンルンだった時期です、そういえば。将来のこととか微塵も考えずに、受験勉強と、デートのことばかりを考えていた気がします。
大学1年生になった長男は日々、勉強とバイトとあれやこれやに忙しい毎日を送っているようです。その中でも自分の「選択」について考える日々。僕と違って学びたいことがあって大学を選んだ彼。でも入っていろいろと学んでいくと学ぼうと思っていたことが想定と「なんか違う」という感覚や、別のことに興味が出たり。将来の仕事について思い至ると学びたいことがぶれたり。なんだか惑って迷っているようです。
先日、話しているときに彼がぽつりと言いました。
「『選択』するって大変だね」。
時間の使い方、学ぶ内容、将来の進路。彼の前にはそれこそ無数の選択肢がありながらも、自分で選びとっていく必要がある。でも選ぶにあたっての選択基準がそもそもよくわからんし、失敗したら怖いし、決定的な間違いを犯したくないし…。立ちすくんでしまうのであります。
分かるぜ、青年。
46歳のオヤジは今も迷い続け、惑い続け、選択をできたりできなかったり。採った選択に後悔したり、残念に思ったり、やっぱりやめたと思ったり、仕方ないから頑張るかと思ったり。頑張るかと思っても踏ん張りが効かなかったり。大なり小なりそんな毎日です。40歳にして「不惑」なんて嘘だね。惑いまくりの40代。(でも、もうアラフィフじゃん!50歳は何だっけ?)
共に、大いに惑い、迷いながらも「選択」を続けよう。「選択」する楽しさをと怖さとを知ったということは大人になったということだもんね(そう、19歳はもうとっくに成人!)。
選択をしてみて、間違えたと思ったら選択を変えればいい。誰かに迷惑をかけちゃったら「ごめんなさい」と言えばいい。失敗だった思ったら、目いっぱい後悔すればいい。なんか回り道しちゃったかもと思ったら、その回り道を楽しめばいい。
「選択」ってのは怖いことでもあるけど、絶対的な「正解」は存在しないから、きっと楽しいことでもあるしワクワクすることでもあるんだな。怖くて楽しい。最高じゃないか。大人の世界へようこそ。
そんな「選択」の話をしていたときに長男が言いよどみ、絞り出すように伝えてくれたこと。それは、今の彼の興味が僕や妻の人生の選択や興味とかけ離れていること。その選択をしたいかもしれない、と思っている自分を表現することに躊躇していたそうです(長男、バイト中につき、この文章を書くことの許可を彼にとっていないので、その選択の内容は書きません)。
何と、親思いな息子だー。
我が家、割とあれこれたくさん言葉にして家族で話すから、たぶん、そのつもりなくとも僕や妻の世界観というか大切に思っていることが長男、長女に伝わっているのだと思います(そして彼はこのメルマガを割といつも読んでくれている)。それはうれしいことだし、ありがたいこと。だけど、場合によっては意図せずそれが彼らの選択を縛ることにもなってしまうのかもしれない。
もちろん、僕らが大切にしている思いや考えが君たちの血となり肉となりになるのは喜ばしいこと。でもでも、この公の場で断言しよう。君たちの選択を縛りたい、あるいは何らかの選択を押し付けたいという思いは僕にも妻にも一切ないよ。
僕と君は別の人間。君が心から望む選択を、それがどんな選択であれ応援したいと思っている。まあ選択の内容によっては、え!?まじで!?と戸惑うことが今後、あるかもしれないけど…。そうだとしてもそれはあくまでこちら側の戸惑いなわけで。
君の人生は君のものだぜ。
だから、大いに違う道を進め!
どんな「選択」を重ねても、君は君だし、君のことを応援している。
願わくば、なるべくたくさん選択を重ねて、なるべくたくさん迷って、惑って、方向修正したらいいと思うよ。なんかのyoutubeでホリエモンが言ってました。「とにかくバッターボックスにたくさん立つんだ」って。打率なんてなかなか上がらないんだから、バッターボックスに立ち続けることが大事なんだって。いや、いいこと言うな。そう思う。
バッターボックスに立つということは、僕の解釈では…。人に会うこと、旅をすること、伝えること、表現すること、とりあえずやってみること、選択してみること、そういうの全部。頭の中で悶々とするのでなく、アクションを起こすこと。そのフィードバックからさらにアクションを繰り返すこと。(ひゃ、偉そうに伝えようとするとおじさんにもブーメランのようにかえってくるぜ)
46歳のオヤジはしんどいときもあるけど、踏ん張ってバッターボックスに立ち続けるからね。19歳の青年よ、思い切ってバッターボックスに立ちまくれ!
ハッピーバースデー、創太。
2018年だから6年前、彼が中1の夏に原っぱ大学のキャンプで徳島、神山町に一緒に行った時。時はあっという間に流れるようです…。
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