タイパは卒業だ。時間を溶かせ、若者よ。
先日、ある大学生と話していたら面白いことを伝えてくれました。映画やドラマを倍速再生でみるのは最早当たり前で、彼の友人は倍速再生のうえ、画面を2つ並べて、2本の映画を同時に見るそうです。2倍再生×2本視聴=4倍のタイパ!!
すごいな。おじさんとしては映画製作者へのリスペクトもへったくりもあったもんじゃない、と思ってしまいますが…。ある意味、今の時代を表す端的な「タイパ」的エピソード。「タイパ」=「タイムパフォーマンス」。短い時間で効率よく大きな成果にたどりつきたい、という心の有様ですよね。
このくそ忙しい現代の象徴のような言葉です。かくいうワタクシも3月最終週の今、いろいろと締切が詰まっていまして、かなり焦りながらこの文章を必死の形相で書いております。タイパを上げたい!!
「パフォーマンス」なんぞAIに任せておけ。
ただ一方で、僕が強く思うのは「タイム」を「パフォーマンス」につなげることを人類はそろそろ卒業していいのではないか、ということでござんす。もっというと、タイパで圧縮できる部分はAIにお任せしつつ、我ら人間はパフォーマンスとは関係のない時間を積み重ねようぜ、ということです。
「パフォーマンス」という言葉を辞書で引くと以下が出てきます。
1.演奏、上演、演劇
2.人目を引こうとする行為
3.性能、機能、成果、できばえ
この文脈で言えば、3.性能、機能、成果、できばえ のことですね。当然ですがこれらは非常にAIにお任せしやすい領域です。そして、確実に、AIたちがハイクオリティで出来るようになってきています。2026年に入ってのこの3カ月の進化も目覚ましいものがあります。
いずれ、書こうと思いますが、私の会社のバックオフィス業務はこの3カ月でかなり安定的に、私が開発した「Harappa Management Cockpit」で回るようになっています。人件費換算で数十万円/月分のお仕事です、おそらく。私よりも確実にきちんとパフォーマンスしてくれる相棒が目の前におります。
餅は餅屋。「パフォーマンス」なんぞAIに任せてしまおう。で、人間はどう時間と向き合うのか。
私の推奨は、時間を溶かせ!です。
「タイム・パフォーマンス」を卒業して、「タイム・メルティング」だ!
これからは「タイメ」の時代だ!
「最適解」は安ものになる。時間を溶かそう。
「パフォーマンス」がいいかどうかはいったん、脇において、自分の時間を溶かす勇気とセンス。これが、めちゃめちゃ、非常に、とっても大切になってくるのだ、若者たちよ。と声を大にして言いたい。
「最適解」は安物になり、代替可能なものになっていく宿命でしょう。だってAIが簡単にその答えを出してくれるから。ここからAIはマルチモーダル(音声認識や画像認識)も進化していき、近い将来に身体を手にするでしょう(フィジカルAI)。もう全然SFの中だけの世界じゃない。デジタルの領域を超えて僕らの暮らしのなかで普通にAIが最適解を出してくれる世界が早晩やってくるでしょう。
すこし前にバズっていたXのこの投稿を見た方もいるかと思います↓
ユニバーサル・ハイ・インカムが実現するらしいので、今後10年をAIにシミュレーションさせてみた
多少誇張的に感じる部分もありますが、おおよそ、この未来予測のシナリオは当たっているだろうなと私も考えています。
時間を溶かした結果として身体に知恵が残る。
閑話休題。だから、「最適」じゃないものに自分からダイブする。そして自分の貴重な時間を溶かす。意図的に、タイメに勤しむ。これが未来を切り拓いていく生き方だと強く思う2026年3月末です。
これ見てください↓
私が尊敬する人生の先輩であり、友人の岡本さんがAIと作ったMVです。音楽、映像、歌詞すべて岡本さんがAIと共につくりあげたもの。AIと作る、ってことは簡単にこういう成果物にたどりつけるように想像しがちですが、そんなことまるでない。日々、試行錯誤して、深夜までPCに向き合って、AIと対話を重ねて、チューニングした結果たどりついたもの。時間を溶かした結果の創作物。
これは岡本さんの内側のこだわりの体現であり、決して「効率よくお金を稼ぐため」に生み出したものではない。
またこちらも見てください↓
これは私のAI開発バディ、もっちゃんが作っているフィジカルAIのテスト映像。もっちゃんは大切な友人であり、AI開発のライバル。そのもっちゃんが「時間を溶かし」ながら作っているAIロボットのテスト風景です。なんか暴走して、気持ち悪い動きをしている…。こんな試行錯誤を繰り返している。
もっちゃんのAI開発に興味ある方はこちらのもっちゃんのnoteが面白いです。
2人のおじさんとも、時間を溶かしまくっている私の「タイメ」仲間。
ただ好きで、やりたいからやっている。決して、何かを効率よく獲得するために時間を溶かしているわけではない。でも、結果として、ふたりともAIを使ったものづくりの知識・知恵が触れていない人では到底及ばないレベルに深まっている…。これがタイメ。
最適かどうかすらわからないプロセスに没頭し、試行錯誤をつづけること、時間を溶かすこと。そこに没頭することで結果として最高のワクワクと経験値が自分の中に積み上がる。そしてそれはAIには代替されない知恵・スキルとして内面に残っていく。
地域に向き合うことでも時間は溶けまくる。
また少し違う話をします。昨日は、私の友人で横須賀の漁師町エリア、走水で「海とミライの学校」という地域活動を推進している仲間たちと話をしていました。走水は少子高齢化が進む、地方の課題が分かりやすく見えるエリア。そこで生まれ育った彼らは地域の子どもたちの未来のために、それこそ自らの「時間を溶かし」ながら地域の様々な関係者じっくりと話し合う時間を積極的にとり続けている。
「地域のコミュニティ」とか「地域の話し合い」って本当に大変。「パフォーマンス」の対極です。様々な世代、バックグラウンドの人たちが集うから、目線を合わせるだけでも一苦労。目線があったころには時間切れ、なんていうことをひたすらにひたすらに繰り返していく営みです。まさに、時間が溶けていく。
「海とミライの学校」のジョン君がポロりと言いました。「この社会構造が難しいんだよね、みんな忙しいから。地域のことが大事だとわかっていても、自分の時間を割けない。これが一番難しい問題なんだよ…」。
本当にそうで、簡単には成果にたどり着かないのが「地域」。そこに時間を注ぐのは並々ならぬ思いがないとできないこと。でもきっと、その時間の積み重ねが地域をいい方向に向けていくし、そこからじゃないと地域社会は動いていかないと思っております。
何で時間を溶かすか。これが最大の問い。
形は違えど、私の目から見て皆に共通しているのは、効率性を無視して、時間を溶かし続けていること。その溶けた時間から澱のように身体の中に残る知恵をよりどころにまた別の時間を溶かしていく。AI進化が著しい現代において、我ら人間の生きる道はここにある、と思うのであります。
大いなる問いは、ではそのための時間をどう捻出するか、ということかもしれませんが…。そこへの答えは私は持ち合わせておりません。AIに聞いて!
さらに大いなる問いは、その時間を何に使うか。何で自分の時間を溶かすか。この問いはAIに聞かないで自分で決めるのが一番だと思うな。

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