遊びのバイブスが共鳴しあう時間が、好き。

「遊びのバイブス」。いきなりなんじゃそりゃ、という感じかもしれませぬが、ワタクシは非常に大切にしているのであります。テレパシー?雰囲気?空気感?よくわからないのですが、バイブス、って言葉が一番しっくりくるのであります。
原っぱ大学 ガクチョー ツカコシ 2024.08.20
誰でも

「遊びのバイブス」。いきなりなんじゃそりゃ、という感じかもしれませぬが、ワタクシは非常に大切にしているのであります。テレパシー?雰囲気?空気感?よくわからないのですが、バイブス、って言葉が一番しっくりくるのであります。

バイブス=vibes。英語辞書で調べてみるとこんな感じでした↓

a person's emotional state or the atmosphere of a place as communicated to and felt by others.
Oxford Languages

訳すと、「ある個人の感情の状態、もしくはある場で人々の間で共有された空気感」みたいな感じでしょうか。空気感とか雰囲気っていったい何なんだろう、というのはすごく興味があります。私たちは何を探知してバイブスを共有しているのかしら…。

答えは特にないのですが、遊びの現場にいると、このバイブスが立ち上がって共鳴し合う瞬間が多々あるんです。誰が中心というわけでもなくて。ただ何となく気持ちいいゆるやかな、自由な楽しい感じが共有されて時間がゆるりと流れていく。私たちが「名もなき遊び」と表現したりするのですが、そこで皆が没頭している遊びのひとつひとつはなんだかよく分からないこと。でもその瞬間が非常に尊くありがたいものだと感じるのであります。

今日、改めてそんなことを感じる時間がありました。

今日は「こども学部」の活動で前田川という横須賀に流れる気持ちいい小川に10人の子どもたちと遊びに行きました。飛び込みスポットがあったり、滝があったり、街中では見ない虫が居たり。ワクワクする場がたくさんありました。ただ、遊びのバイブスが立ち上がったのはそんな分かりやすい魅力的な場面ではなく、本当に何気ない場所で、何気ない時間の延長で立ち上がりました。

子どもたちのくるぶし位の深さで緩やかに流れる川べりでランチを食べたあとのこと。特に意味もなく、子どもたちと石を積んで「ダム」を作り始めました。もちろん、完全なダムなんてできないし、終わりのない、意味のない作業。

どんなに石を積んでも隙間を水が流れていく。終わりのないダムづくり…。

どんなに石を積んでも隙間を水が流れていく。終わりのないダムづくり…。

何だか夢中になって石を積み続ける子どもたち。その傍らで大きな石を持ち上げては水に投げてしぶきを巻き上げて喜んでいる子。平たい石を探し出して水切りに挑戦する子。平たい石探しがはやったかと思うと、そのうちに河原の石を削って平たい石を自ら作り始める子が出てきて…。

その流れが伝播して、各々、ひたすら石を削っている(そして水切りのことは多分忘れて、平たい石づくりにのめりこんでいる)。

一人の子が「みてみて、こんな風に削ったよ」と自慢げに削った石を見せてくれました。「持って帰る?」と聞いたら「自然にかえすよ」と言って執着なく手放しました(なんだかグッとくる瞬間)。

優しい木漏れ日が降り注いで、川の流れのおかげで涼しくて、私たち大人もときに一緒に水切りをしたり、ダムをつくったりしながら、同じバイブスに浸っている。ただそれだけの時間。

本当はもっと川の上流に探検に行こうかとか、川を下って海まで出て遊ぼうかとか、いろんなプランをスタッフである私たちは考えていたのだけど、結局は、今日の活動のほとんどの時間をこの、何気ない河原の名前のない遊びの連鎖が生み出すバイブスに浸って終わりました。

記憶に残らない些細な時間かもしれない。家に帰ってお父さんやお母さんに「今日何したの?」と聞かれたときに、うまく説明できるような体験ではないかもしれない。

でも、それでいい。それがいい。

言葉にならない、こんな時間の集積が、豊かな人生を形作っていくと信じています。大人の私たちはどうしても言葉で確認したくなっちゃうけれども、そういうことは脇に置いておいて、バイブスを共に味わうことができたらなと思います。

バイブスが流れ出した時にそれをキャッチして、共有して、邪魔せず一緒に味わう。そんなことができる大人たち、原っぱ大学スタッフを誇りに思います。いい時間でした。

最後に宣伝です。

子どもたちにそんなバイブスが満ちた時間を体感してほしかったらぜひ「こども学部」の体験へどうぞ。

子どもの発するバイブスに一緒に乗りたい方は「おやこ学部」へ。

自分自身が発して共有するバイブスを味わいたい方は「おとな学部」へ。

これから涼しくなって、外遊びシーズンが到来します。原っぱ大学は12月まで活動カレンダーを公開しているので、ぜひ遊びにお越しくださいませ!

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