すごいものが、すごくない世界へようこそ。
Claude Fable5。本当にすごいAIです。日本時間7/8の16:00までサブスクで使える(そこからは従量課金)ということで、ガンガン使っていて思ったこと。「すごいもの」を生み出すことがそれほど「すごくない」世の中がやってきた。
ゴールと背景を伝えるだけで動くすごいやつ
Fable5をご存じのない方のためにちょっと解説。
Anthropic社が開発した最強のLLMモデルMythos。余りの凄さで社会的なインパクトがあるから、と一般公開されず私たち一般ピープルはお預けを喰らっていました。その性能のサイバーセキュリイティ面での強すぎる機能や化学兵器を開発できる能力を抑えた形で一般公開されたのがFable5です(能力はMythos同等)。
6月の初めに一度、一般公開されたのだけど、米国政府からの要望を受けてたったの3日間でまた止められてしまいました。7月の頭に改めて、米国政府とも調整がつき使えるようになりました。日本時間7/8の15:59までは有料サブスク課金の範囲内で利用でき、それ以降は高額な従量課金でしか使えなくなる。現在は貴重なボーナス期間です。
Fable5は何がすごいのか・・・、ってその文脈理解力と思考の幅と深さ。
公式の説明にまた驚かされます。Fableには余計な細かい情報を渡すな。端的に目指すゴールとその背景だけ渡すのが一番高いパフォーマンスを発揮するよ、とのこと…。これは本当にすごいことで、これまでのLLMはどんなモデルでも細かく要件定義を行い、行動のガイドラインを伝えることが大切でした。そのためにAIと対話する技術を磨いてきました。ただ、Fableにはこれがむしろ邪魔になると。従来のモデルへの細かすぎる指示はいらないよ、と明確に書かれています。
触ってみての実感もまさにそれ。ゴールとその背景。この二つだけで走る。長時間走り続ける。裏側にある言語化されていない要件も推測して動き続け、目的のものを生み出してくれる。
「ゴール」=ほしいもの、「背景」=その理由。
この2つがあればほしいプロダクトが生まれるの。神龍か!!もちろん、今はデジタルの世界だけ。文章、画像、動画、ウェブサイト、アプリ、スライド資料・・・。ただその世界が少しずつ、少しずつ広がっている。しかも数週間、数カ月ごとに・・・。
いまはFableは高額で、これを触るのは一部の好きな人だけかもしれないけれど、もうじき出るChatGPTのGPT5.6は恐らく、同等レベルで少し安いと言われている。中国系のLLMモデルもじき追いつくでしょう。一度、誰かがつくったものはお金と時間が投下されてすぐにそれを上回るものが登場する。そのスピードは日々、速くなっている。
「すごいもの」を作るハードルが極端に下がる
すごいものであればあるほど、人はまねをするし、似たようなものがあふれてくる。
これは世界レベルのLLMの競争だけでなく、私たちの小さな経済活動でもたぶん一緒。
私たちはこの社会でこれまで、「すごいもの」を競い合う世界を形作ってきたし、当たり前のようにそのレースをしてきた。だけど、今、この瞬間は、「すごいもの」の希少性がどんどん目減りしている世界になってしまったように私には見えます。
僕はエンジニアではないけれども、自分の業務をAIで回すワークフローをつくり、ロボットを生み出し、サイトを作って公開するなんて文字通り朝飯前だし、今は高いお金を払っている原っぱ大学で使っている予約システムを自前で構築中です。
この僕のプロジェクトのひとつひとつがおそらくこれまでだと「すごいもの」。希少で、価値があって、高いお金を払っていたもの。専門家たちが時間をかけてエネルギーをかけてつくってきたもの。もちろん、僕もそれなりに時間もお金(AI費用)もかけてきたけど、片手間で、お小遣い程度のお金をかけただけ。
それでも、できる。
この先の未来はどうなっていくのだろう?
「すごいもの」がコモディティとして溢れかえっている・・・(未来の話ではなくていま、この瞬間にも)。
そんな世界を我々はどう生きるんだろう、ということを考え続けています。
「すごいもの」は誰でもちょっと頑張れば作れることが当たり前になる。そうなると「すごいもの」が「すごいもの」ではなくて、高値で売れなくなる。でも誰かの課題を解決はしてくれる。そんな風にお悩み解決の手段が世界中に溢れている世界。
そんな世界では、アイディアや成果物を囲わなくてよくなるのかな。どうぞご自由にお使いください、と世界中に「すごいもの」が著作権フリーであふれる世界になるのかな(実際、AIと作った成果物の著作権は誰のものなの??)。
ゆるやかなシェアとありがとうが行きかう世界。素敵だ。
本当にそうなるかな??
一方で私が思うありえそうな未来は・・・
「すごいもの」を生み出せる人と生み出せない人の格差が開く世界。
今もその空気を感じるけど、分断の世界。AIのリテラシー、そもそもの情報の量や質、AIのコストを支払えるかどうかで、二分されていく世界。「すごいもの」がそれほど「すごくない」ということに気づかない人たちがいて、そこをあえて気づかせないままにすることで成立する商売が広がっていく世界。
生み出せる人と生み出せない人の間で分断が広がっていく苦しい世界。
両方の世界もすごく雑に描いたから、この両極のどちらか片方に収まることはないと思う。きっと、現実は双方の要素が混ざり合った未来が近い将来やってくるのだろうな、と想像しています。
未来を幸せに生きるキーワードは「遊びゴコロ」
そんな近い未来の世界をどう幸せに生きるか。
そろそろ、答えがある程度明確になってきたと思っています。
「すごい」or「notすごい」だけではない評価軸を自分のなかにもつこと。これに尽きるのだと思う。
面白いかどうか、ワクワクできるかどうか、夢中になれるかどうか、没頭できるかどうか。そういう、プリミティブな欲求を自分の中に飼い続けて、そこに委ねて生きればいい。他者からどう思われるかじゃなくて、自分の気持ち次第、という世界を生きればいい。
遊びゴコロだ。遊びゴコロがすべてだ。そしてそのココロは大人も子どももみんな持っているから、大丈夫。きっと明るい未来がやってくる。
【おまけ】私がつくった「すごいもの」をシェア
Fableを呼び出すことに慣れてしまった皆さんへ、私がFableと開発したFableの能力を開放しつつ、低コストでopusやsonnetとオーケストレーションしながら開発を進めるツール「Fable Orchestra」を公開します。自分のためにつくったもの&調整中ですがご利用ください。Claudeのサブスク課金が前提です。https://github.com/akiratsukakoshi/fable_orchestra/

すでに登録済みの方は こちら