積極的に「待つ」ことが大事だよ。
ワタクシ、サーフィンが大好きで、気づけばもう30年近く続けております。年数だけは一丁前ですが、なかなかうまくならないのがサーフィンの奥深いところ。ここ数年は自分の中でサーフィンの優先順位がかなり高く、意識がいつも海に向いております。そんな中、最近、身に染みているのが積極的に「待つ」ことの大切さです。
どの自然遊びもそうかも知れませんが、サーフィンは「待つ」遊びなんです。僕らは常に待ち続けている。いい波が立つ季節の到来を待つ。いい波が来る日を待つ。海に入ったら、いい波が自分のところに来るのを待つ。待つ、待つ、待つ…。そんでもって、波の上に立っている時間ってほんの一瞬なんです。3時間海に入っていて波の上に立っていた時間のトータルは2,3分なんてざら(むしろトータルで3分立っていたら上出来なぐらい)。
ちなみに、上手なサーファーは待つのが本当にうまい。海の中でジタバタしないでじーっと、いい波を待って、自分の目の前に来た素晴らしい波をさーっと乗ってまた帰ってくる。待ち上手は波乗り上手。
先日のこと、サーフィンを教えてほしいという友人たちを連れて海に行きました。初めての波乗り。アレコレ教えつつ、海の上で沖を見て、自分が乗りたい波が来るのを「待つ」ことの重要性を伝えました。そして実際に、波を待ってみて、友人の一人が言いました。「サーファーが海にぷかぷか浮かんでいるのってただぼーっとしているわけじゃないんだね。」
そう、傍目にはぼーっと海に浮かんでいるだけに見えます(湘南の海岸線を車で走ると、海にぷかぷか漂うサーファーをたくさん見かけるでしょう)。でも彼らは集中して、次に来る波に備えて、イメージして、タイミングを準備して…。非常に積極的に待っているんです。
波がない日も、毎日のように天気予報をチェックして、道具を整えて、柔軟体操をしたり走ったりして身体を整えて…。そのうちやってくる波に備えて、積極的に待ち続ける日々です。
積極的に、待つ。
これは波乗りだけではなくて、人生の極意なんだよなー、と思うのです。
そしてワタクシはその極意をよく忘れる…。待たないで、成り行きに任せる。「積極的に待つ」という行為はたぶん、来るべき瞬間をイメージして、備えていつでも動けるようにしておくこと。「成り行きに任せる」は文字通り、来るべき瞬間など気にせずぼーっ過ごし、そのまま流れに身を委ねること。
時には何も考えずに成り行きに身を任せるのも悪くないと思います、時には。ただ、どうも私は成り行き任せ成分が多いんですよね。なんくるないさー精神。割と委ね続けている。自然体で気持ちいいのだけど、そればっかりだとどうも、もったいないらしい。詰まらないらしい…。
そういえば最近、自分は「成り行き任せ」成分が多かったな、と振り返りました。それはそれで、そういうモードだったからヨシとしつつ、もう少し「積極的に待つ」成分を増やしていこうぜ、と呟いて、鼻息を荒くしてみるのであります。
そんなことを考えていたら20年ぐらい前の木村拓哉さんのCMを思い出しました。サーフブランド「タウン&カントリー」のCM。「開いている人間と閉じている人間、人間には2種類いる気がする。」みたいなセリフを若かりしキムタクがつぶやくんです。「今日のおれは開いているかな…」みたいな言葉で締めるんです。待つことと、成り行き任せのどっちが「開いている」でどっちが「閉じている」かはよく分からないけど、表と裏を行ったり来たりすればいいのよね、と思いました。
20年経ってもふと思い出すCMってすごいですね。Youtubeに上がっていました。コレ
波乗りでは、積極的に待つモードのときに自然は恵みをくれる気がします。準備ができていると、自分の身体が空いているいいタイミングに、いい波を届けてくれる。そして忘れがたい素晴らしい一瞬の体験をさせてくれる。写真は先日の台風の波。本当に心に残る何本かを乗らせてもらいました。
人生全般においても、機会に対して開かれている自分であれますように。

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